番組制作の仕組み、アドバイス

スタジオ収録

スタジオ収録

さあついにスタジオ収録です!
特別番組ですと、ここまできたら定例の会議などはもうしていないと思います。

 

生放送についてのスタジオ収録については

で説明しています。
生放送の情報番組ではスタジオ収録とVTR編集が同時進行していますからね…。

 

バラエティ番組での収録に向けての準備は以下の通りです。

〇サブ出しVTRの準備
〇収録スケジュール作成および貼り出し(デカスケ)
〇スタジオ台本の作成・準備
〇スタジオセット建て込み
〇スタジオVTR出しモニターの準備
〇カンペ・手カンペの準備
〇インカムの準備
〇クローク(楽屋)の準備
〇スタジオ休憩所の設置(だまり)
〇リハーサル用備品準備
〇プロッキー(ペン)、テープ各種(養生テープや白ガムテなど)、バミリ(位置決めテープ)、ゴミ袋、タオル、電池、ティッシュ、ウェットティッシュ、紙コップ、お菓子入れ、文房具各種、延長コード、電子ポットなどなどの準備!
〇楽屋・スタジオ用お菓子、お弁当、飲み物の発注・準備
〇楽屋貼り(バリ)準備
〇収録メディア(HDテープ、SDカードなど)の準備
〇モニター出し用のPC ※場合による
〇ピンマイクの準備 ※場合による
〇受付の入構申請 ※場合による
〇スタジオ出し用小道具の準備
〇音声、技術、スイッチャー、タイムキーパーなどのセッティング
〇スタジオ自体の申請
〇出演者、観覧客のスケジュール合わせ・セッティング
〇出演者用タクシー券の準備 ※場合による

大体こんな感じですかね…
多いんです!準備することが。頭の中で収録しながら書き出してみましたが、抜けがないか何回か確認してみます。笑
このほとんどをADさんが準備してるんですよね。
ちなみに制作以外の技術様やサブの方々の準備するものは省いています。

 

生放送もある程度同じものを準備していますが、レギュラー番組ともなるとスタジオセットはそのままですし、あらかじめ準備されているものも多いです。
全部説明するのはみなさんも望んでいないと思うので、後述することにします!気になる方は下の方まで見てみてください。

 

スタジオ収録は制作陣の中でも山場にあたる部分です。
なんとか良いものにしたいという気持ちから、スタジオ収録時には徹夜明けのスタッフがかなり多いです。
カロリー消費が激しいですが、芸能人の方がきたり、自分の編集したVTRで出演者の方が反応したりしてくれると疲れが吹き飛ぶような心地になります。
ここで撮影された出演者の反応を編集で抜き出して使うため、カンペを出すフロアディレクターやサブにいる演出の方々はどうすれば盛り上がるのかを考えて出演者に指示を出します。VTR中に面白かったらスタッフが自身で笑い声を入れてみたり、VTRが終わってスタジオにカメラが戻ってくるときも出演者さんが気持ちを盛り上げて喋れるように拍手でむかえます。芸能人の方々の疲れが見えたり、化粧直しが必要だと思った場合には休憩を入れることも大切です。

 

また最初もしくは最後には、番組宣伝用の呼びかけを出演者全員で撮影したりします。
写真撮影などもあり、この時撮った写真がHP上の番組紹介用写真になったりします。

 

スタジオ収録が終わる事には皆さんクタクタですが、少し休んだあとに第2の山場、編集作業が待っています。

VTR中のカメラ

サブ出しVTRは以前の記事の通りですが、VTR中は出演者の顔を撮影しているカメラがあります。これは机にGoproのような小さなカメラを仕込んでいる場合もありますし、スタジオ用のでかいカメラで抑えてる時もあります。こちらがよく番組で見かけるワイプの映像になります。次回以降の説明になると思いますが、撮影が始まる前にカメラがRECされた状態で同期を撮ります。カチンコや、スタッフや演者さんが手を叩く行為がこれにあたります。この行為をすることで後々編集が楽になります。

スタジオ台本

VTR原稿を元に、作家さんやディレクターさんが作成するものになります。
冒頭の挨拶、芸能人の会話、VTRの内容補足、スタジオの出し物に対する行動、締めの言葉など全部台本になっています。
スタジオ台本は出演者用と制作用で分ける場合があります。なぜだと思いますか?
それは出演者には秘密にして行いたい演出があるからです!これを失敗するとすごく怒られます。笑

VTR確認用モニター

スタジオ出しのVTRモニターは技術さんが用意してくださる場合と、制作で準備する場合があります。
セットの中に組み込まれるなど、おしゃれなつくりになるときもあります。
制作で準備する場合はパソコンやモニターをつなぐ線など忘れずに〜!

スタジオカンペ

カンペは最近だとスタジオ台本をコピペして、遠くでも見えるように文字を大きくしたものをB4サイズで印刷してスケッチブックに貼って用意します。
わかりやすいように、下線や名前を囲むマーカーなど出演者ごとに色分けをします。
長い収録ですと、このカンペが何冊にもなってしまうので、収録中終わったものはどんどん引き上げましょう。

でも説明しましたが、モニターにWordデータをそのまま出すなんてやり方もあります。

 

また咄嗟に指示が出せるように何も書いていないカンペもプロッキー(ペン)と一緒に用意します。
手カンペは番組で司会者さんが手にファイルを持っていると思いますが、アレです!出演者用台本の他に、プチ情報なども入れたりします。

インカム

インカムはなんだかわかりますか?
トランシーバーみたいなものなのですが、ボタンを押して喋るとサブやインカムを付けている人と話ができる機械があるのです。これを付けることによって、サブからの演出の指示を出演者に反映したり、スタジオ内でのスタッフの連携が容易になります。

クローク準備

こちらは主にAPさんが行うことが多いですが、まず出演者ひとりひとりの付き添いは何人くるのか、メイクは必要なのか、どのような移動手段でスタジオ入りするのか、入り時間は何時なのかなどを確認します。そこから楽屋を出演者分クロークの受付に申請し、収録当日にあわせてお弁当を人数分用意したり、お菓子や飲み物、ティッシュ、ウェットティッシュ、出演者用台本などを準備します。芸能人の方が当日スムーズに局入りできるように、玄関口の受付に誰が何時に来るといった申請を出すのも忘れてはいけません。
誰の楽屋がどこにあるかを一目瞭然にするため、建物の玄関口、クロークの受付、楽屋前には楽屋貼り(バリ)が必要です。

 

またスタジオで休憩中にお菓子をつまんだり、飲み物が飲めるように出演者のたまり場(だまり)を作ります。
こちらは収録の規模にもよりますが、収録後スムーズに出演者が帰れるように収録終了間近にタクシーの用意も怠ってはいけません。
出演者が帰られたあとは速やかに楽屋の掃除を行い、施錠します。

リハーサル

リハーサルはスタジオ収録を成功に導くために絶対的に必要な工程です。
それぞれの制作スタッフを出演者に例えて、スタジオ進行していきます。スタッフは台本通りに進めていきますが、そこでの出し物や、カメラの動き・スイッチングなどは本番同様に行います。中継があれば中継も同様に行い、台本上ではわからない不備な部分を修正していきます。
この工程をすることにより、本番での立ち位置、カメラのアングルなど確定していきます。

収録メディア

テレビ局のスタジオ収録では大体、120分もしくは240分ぐらいのHDテープ(シンク入れ済み)をサブに入れて収録を行います。カメラ1台につき1テープなので、何本必要なのか事前に確認して準備しなければなりません。
小規模なものですとSDカードでの収録になる場合もあり、制作側で複数のSDカードを用意しなければなりません。Goproなどの小さいカメラを使用する場合はmicroSDカードの準備も必要です。

 

収録後はどこの音が入っているのかなどをしっかり確認した上で忘れずに回収しましょう。

収録中にありがちなこと

収録中に極度の眠気が襲ってくるときがあります。
いったんスタジオから出て、顔を洗いましょう!
スタジオで台本などを落として、収録が中断したり、大事なリアクション中に大きな物音を立ててしまうとディレクターどころかプロデューサーのお偉い様に注意をされてしまいます。シャレになりません…出演者側からはあなたの顔が見えています。
スタジオの雰囲気を一瞬で凍り付かせないためにも、眠気からの回避は必要不可欠です。

 

携帯をマナーモードにしてないと…殺されてしまいますので注意してください。笑

テレビ番組ができるまで

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