番組制作の仕組み、アドバイス

本編集

本編集

スタジオ収録が終わると本格的な編集に入ります。
生放送の情報番組では企画の特集VTRを作る際に編集室を使う機会があると思いますが、滅多にありません。

 

基本的な順序で説明したいと思います。
まず、スタジオ収録素材をデジタイズ(MOV動画化)します。
そのあとに編集ソフトにて段積みという作業があるのですが、これはプロジェクト上にスタジオ収録のカメラ数台、サブ出しVTRなどの素材をひとつの時系列上に並べる作業になります。
スタジオ収録の回で説明させていただいた、同期を覚えていますでしょうか?

「VTR中のカメラ」の項目に書いてありますが、パチ!っと手を叩くと音が振れます。
その振れた部分を軸としてコンマ1秒ずれることなく、いくつものカメラを重ねていく作業を段積みと言います。
そのスタジオカメラを並べた上にさらにスタジオで流したVTRのプロジェクトを重ねることで、このVTR中に〇〇さんがどんな反応をしているかがわかるのです。

 

段積みが終了すると、番組全体のオフライン作業が始まります。
この段階で、放送上どこにCMが入るか、どこに提供が入るかなども決まってくるのでその部分も間を空けたりなどして作り上げていきます。
アバン(冒頭に入る番組あらすじ)はどこに入れてどんな風にするのか。スタジオ部分ではどのカメラを生かすのか。CM前はどのVTRで視聴者を逃がさないようにするのかなど細やかに決めていきます。
ある程度のものが出来上がったら、作家やプロデューサーを交えてのプレビュー会を開き修正していきます。修正に伴い、修正後のVTR原稿も作成します。
本編だけでなく、番組宣伝も同時進行で行われますが番組宣伝の方が納期は早いです。

 

そこで出来たプロジェクト(編集データ)は編集室に持ち込まれ、一度テープになります。(吐き出し)
同時にプロジェクトと素材データの入ったハードもお渡しし、作業をオペレーター(編集マン)に任せます。
テロップデータの入っていないシロテープが用意されると思いますが、そのテープを軸にテープが完成形へとなっていきます。
テロップをWordにしたものを編集アシスタントに渡し、しっかりとしたテレビ用のフォントの文字を入れていきます。(クレジット表記も含む)
またスタジオ収録時に許諾の取れていなかった映像を差し替えもしくは許諾をしっかりとります。
VTR中の出演者の反応をワイプで入れ込みます。
番組タイトル、提供、エンドロール(出演者の衣装ロゴも含む)、次回予告(あれば)などを入れていきます。
モザイクが必要な部分にモザイク入れをします。
文字フォローが必要なON(喋り)にテロップを入れます。

 

ひとつひとつ簡単に説明していますが、ひとつひとつが長い時間のかかるものばかりです。
途中途中でMP4などの動画にし、作家さんなどに送ります。その際の修正は反映していきます。
また、修正用に素材のみのシロテープは常に最新のものに上書きされます。

 

放送尺に収まる形のほぼ完テープが完成したら、整音と追加ナレーションも含めて一度MA室に送られます。
このMA作業で表記はあっているか、正確じゃない情報は入っていないか、映っちゃいけないものが映っていないか、足りないものはないかなど最終チェックを行います。校閲さんがいる場合は校閲さんも含め行います。

 

直し部分があればMA後に直しを入れ、出来上がった完パケ(完全パッケージ)のテープを納品しにいきます。
放送用テープ完成時には、映像データも用意して、字幕テロップを入れて下さる方に早めに原稿も含めメールで送ってあげます。

 

納品後のテープはというと、一度通常再生で最初から最後まで確認されます。
そこで不具合があると放送用テープを返されてしまいますが、滅多にない事です。

 

ここでテープが受け取られると、あとは放送を待つだけとなります。

テレビ番組ができるまで

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