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働き方改革について

働き方改革について

今回は4月1日から施行の「働き方改革関連法」についてお話していきたいと思います。

 

まず、この法案によって何が変わるのか説明しますね!

 

時間外労働の上限規制の導入【施行:2019年(中小企業2020年)4月1日〜】

時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定する必要がある。

 

そのほか「有給休暇の確実な取得」など様々な改革が行われていきます。

 

もっと詳しく知りたい方は、厚生労働省のページをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html

 

 

さて、実際のところ業界はどのように動いているのか

 

実際にこの法案を守れないと、管理者は禁固刑もしくは罰金刑に処されます。
そのため、直属のプロデューサーは勤務管理を余儀なくされるわけです。

 

そこで私はある実験的行動をしました。
制作会社や、局内では勤務表というものをつけなければいけないのですが、その勤務表を休憩も含めて1分単位で正確に打ち込んだのです。月末に近づくにつれて、時間外労働は増えていきました。そして私の勤務表を管理しているプロデューサーはこう言ったのです。

 

「1日8時間で絶対に帰れ。月末までのスケジュールを私が管理する。」

 

と。
つまりしっかりと勤務表を打てば、勤務体制は画期的に変わると思います。
しかし、この行動にはデメリットもあります。

 

まず、勤務表をしっかりと打ち込まずに働くスタッフに白い目で見られるということ。
もはやこれに関してはパワハラなんですが、自分の仕事を他のスタッフに任せなければいけない状況が生まれるわけですから、こういったことも出てくると思います。
もしかしたら、時間が経つにつれてこの法案が国民に受け入れられ、こういった場面は減る可能性もあります。

 

そして業界で働く方は身に染みてわかると思いますが、勤務表をしっかりとつけることによって勉強の機会が格段に減るということもデメリットにあげられます。
テレビ業界では編集という作業があり、その編集という作業は24時間休憩なしで行なわれることも珍しくありません。その編集作業が毎週2回以上あったとしたらどうでしょうか。勤務時間の解決策として、バトンタッチするか人を増やして編集に入る機会を減らすしかありません。
また収録についても準備時間を含めると多くの勤務時間を要します。
バトンタッチや、機会を減らすという対策を講じることでディレクターになるために必要な時間を失うことになり、結果ディレクターになるのに何年もかかってしまうという事例がどんどん出てくることが予想されます。

 

 

2019年3月23日現在、制作会社やテレビ局では4月からの法案施行に向けてスタッフの増員及び、4月の法案通りのルールで勤務表の記入を設定しています。
自分を守るために勤務表をつけるのか、自分の成長を臨み勤務表をつけるのか。その時々の心情にもよるとは思いますが、どちらも悪いとは言い切れないので、自分の意思に従って行動してみてください。

テレビ番組ができるまで

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